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防災の活動を体験し、西条市全体へ!西条高校「防西’s」

皆さんご存じのとおり、西条高校は文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け、先進的な理数教育を実施している高校です。県内では松山南高校・宇和島東高校・西条高校の3校のみ指定されています。

そんなSSHの中でも、様々な防災に関する活動を体験し、その体験を生かして西条の皆さんの防災意識を高めていこうという活動を行っているのが、商業科の3年生で構成される「防西’s」です!防西’sは今年結成2年目となり、 市内小学校でロープワークを教えたり、防災マップについて学んだりしています。

 

今回は、災害が起きた際に使用される「マンホールトイレ」「段ボールベッド」の組み立て方・使い方と、市防災倉庫の見学を行いました。

 

1.まずはマンホールトイレを作っていきます!

マンホールトイレとは、下水道管路にあるマンホールの上に簡易な便座やパネルを設け、災害時において迅速にトイレ機能を確保するものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

国土交通省,「災害時に使えるトイレ」

(2023年6月5日取得, https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/mizukokudo_sewerage_tk_000411.html

 

マンホールトイレの特徴は

・備蓄が容易で、日常使用しているトイレに近い環境を迅速に確保できる

・し尿を下水道管路に流下させることができるため衛生的であり、臭気、し尿抜き取りが軽減される

・入口の段差を最小限にすることができるため、高齢者も利用しやすい

 

ひとたび大規模な災害が発生すると、トイレが使用できなくなります。

例えば、1995年の阪神・淡路大震災では、被災地の広範囲で水洗トイレが使えなくなり、トイレが汚物で溢れる状態となりました。2004年の新潟県中越地震においては、車中泊をしていた被災者がトイレを控えたため、エコノミークラス症候群で死亡するといった事例があり、災害時に快適なトイレ環境を確保することは、命にかかわる重要な課題として認識されました。このように、災害時に避難所のトイレ空間の快適さが失われることは、被災者の健康被害に直結する問題です。

平成27年度末時点では、全国340の市町村で整備されています。(下水道事業を実施している地⽅公共団体のうち約4割しか整備されていない・愛媛県内では西条市や松山市など一部市町のみです)

そんなマンホールトイレ、平時において使用することがないため、使い方がよくわからないという場合が多いのが現状です。今回は災害時に素早く組み立てるようになっておこう!ということで、実際に体験することとなりました。

今回は、西条市役所危機管理課の深見さん、伊藤さんが講師となり教えていきます。

災害時の緊急用のトイレは、マンホールトイレだけではありません。

家庭の場合はトイレに袋をかぶせ、新聞紙やにおいを消すものを袋の中に入れることで使用することもできます。

また、携帯用トイレや段ボールトイレも有効な解決策です。

 

避難所の場合は、イベント会場や工事現場でよく見る仮設トイレやマンホールトイレを使用することになります。

ただ、仮設トイレはすぐには届かず、必然的に携帯用トイレや今回組み立てるマンホールトイレを使用せざるを得ません。

元自衛官の深見さんは、災害対応のスペシャリスト。

それに応える防西’sの熱い視線が深見さんに突き刺さります。

まずは、マンホールを開けていきます。

マンホールトイレは、どのマンホールでも対応しているわけではありません。

西条市内では今回体験を行った市民公園のほかに、西条東部公園、西条駅南広場、西条西中学校、丹原中で、マンホールトイレが使用できます。

このマンホール、かなり重いです!!

若い力を振り絞って、てこの原理を利用しながら開けていきます。

マンホールが開いたら、洋式トイレ部分の組み立てです。

説明書があるのに、読まずにとりあえずやってみよう!!と意気込む男子チーム

それに対して、説明書をじっくり読み、効率よく組み立てようとする女子チーム

各チーム、それぞれのやり方でマンホールトイレの組み立てを進めていきます。

試行錯誤しながらも、両チーム完成しました!

防西’sの中で、ムードメーカー的存在の越智君が試しに座ってみると・・・急に便意を催したみたい!!

かなり踏ん張ってる・・・

マンホールトイレは、洋式なので一般的なトイレと変わらない感覚です。

段差もなく、高齢者の方々も使い勝手が良いとされております。

危機管理課の伊藤さんは西条高校を1年ちょっと前に卒業したばかり。

年齢が近いこともあり、仲良く取り組んでいました。

 

2.避難所での快適性を改善!段ボールベッド

段ボールベッドとは、名前の通り「段ボールでできたベッド」のことです。

 

近年、縁故避難や車中(泊)避難など、避難の方法が多様化していますが、やはり近くの公民館や体育館などの指定避難所に避難される場合が一番多いと思います。

ただ、ニュースでよく見るようなビニールシートに毛布、加えて、見知らぬ人と隣り合わせで眠らなければならない。そういった避難所も依然として多くあります。

 

「そんな環境なら、家にいたほうがいい」

 

様々な避難の方法がありますが、避難所では快適に過ごせないという理由で選択肢から外してしまうのは問題です。

二次災害の危険性もあるので、避難所の選択肢を残しておくことは大切です。そういった場合に活躍するのが、先ほどのマンホールトイレや、今回の段ボールベッドです。

早速女子チームが組み立てに取り掛かります!

皆さんが持っているのは段ボールベッドの部品になりますが、段ボールでできているためか、軽くて扱いやすそうです。

 

この段ボールベッド、実は多くのメリットがあります。

 

【段ボールベッドのメリット】

・購入費用が安いので数を多く整備できる

・他の簡易ベッドに比べて、保管収納時に場所を取らない

・簡単に組み立てが可能

・しっかり強度もある

・床に直接触れないので、空気の層ができ暖かい

・埃やゴミなどが床に溜まっている床から30センチ以上高さがある

・周りの人と、一定の距離を保てるようになる

・エコノミークラス症候群の予防になる

 

デメリットとしては、長期間の使用には向いていないことや、湿度が高い場所では強度が低下する恐れがあること、あと燃えやすいことくらいで災害時には、もってこいの備蓄品です。

箱の中から段ボールを取り出していきます。

そして、説明書通りに組み立てて・・・

完成!!!

 

5分程度で組み立てることができました。

初めての組み立てでこの時間なのであれば、2回目以降はもっと短く組み立てられますね。

男子チームは撮影会でしょうか?

カメラを向けると、様々なポーズを繰り出してきます。

じっさいに寝てみて、段ボールベッドの快適性を確かめます。

床で何かを敷いて寝るよりは、圧倒的に快適です!

今回、段ボールベッドだけではなく、一般的な簡易ベッドも体験しました!

避難所では、被災者みんなが協力して、住環境を整えなくてはなりません。助けられるだけでなく助ける人になってください。

そして、今回取材させていただいた防西’sの中に1名防災士の資格を持っている方がいらっしゃいました。藤田君です!

藤田君は、西日本豪雨災害の映像や話を聞いたとき、自分何かできないか考えたとき、防災について学びたいと思い、防災士を取得したそうです。

今、課題研究の時間に防災についての勉強やロープワーク等について学んでいます。

 

「人のために役に立ちたい」

 

この学んだことを防災活動に役立てたい思いで、防災士を取得されました。

 

防災士とは”自助”“共助”“協働”を原則として、社会の様々な場で防災力を高める活動が期待され、

そのための十分な意識と一定の知識・技能を修得したことを日本防災士機構が認証した人です。

 

平時には、家庭、地域社会や職場での話し合いや訓練、備蓄など防災対策を実施されています。災害時には、自らリーダーシップを取り各支援活動に参加しています。

 

西条市でも防災士資格取得のための支援を行っています。

https://www.city.saijo.ehime.jp/soshiki/kikikanri/bousaishi.html

 

3.防災倉庫の見学

最後に西条市の防災倉庫の見学を行いました。

この倉庫内には災害が起きた際に必要な非常用備蓄食料(アルファ米、水など)や毛布、粉ミルク、発電機などが備蓄されています。

 

しかし、この防災倉庫だけで人口10万人都市の西条市全員の備蓄を賄うことは困難です。西部支所、各サービスセンター(丹原、小松)、各公民館などにも多少備蓄はありますが、それでも難しいでしょう。

そのため各家庭において、3日分の非常持ち出し袋の準備、家には7日分を備蓄しておきましょう。

https://www.city.saijo.ehime.jp/soshiki/kikikanri/hijyoumochidashi.html

 

4.まとめ

今回、マンホールトイレと段ボールベッドを組み立てた「防西’s」

実際に一度体験するだけでも、災害時の動きというものはかなり変わってきます。

今後、小学校で防災教育としてロープワークを教えたり、耐熱ビニールを利用した防災食の作成、救命救急学習、担架づくり、自衛隊での防災訓練を予定しており、さらに防災に関する知識に磨きをかけていきます。

 

様々な防災に関する活動を体験し、その体験を生かして西条の皆さんの防災意識を高めていこうという「防西’s」の活動はこれからも続いていきます。レンジャー!!!

 

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▼LOVE SAIJO応援シンガーちゃんゆ胃さんがパーソナリティを務めるラジオ「ちゃんゆ胃の胃袋満たします」の5/1に放送された番組内でラジオCMが流れました。

下記URLよりご覧ください。

2023年も「ちゃんゆ胃の胃袋満たします」のラジオCM大公開!

 

▼西条高校HP

https://saijo-h.esnet.ed.jp/

 

私が書きました

LOVE SAIJO 編集部

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