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廃部の危機を乗り越え、初の全国の舞台へ 西条高校日本音楽部

2023年7月、鹿児島県で開催される全国高校総合文化祭(総文祭)。今回、初めて全国の舞台への切符を手にしたのが西条高校 日本音楽部です。

県大会を突破し、全国の舞台でも演奏する曲は“龍星群”。今回、日本音楽部の皆さんの演奏を録音させていただきました!素晴らしい演奏と共に、廃部の危機を乗り越え、創部50年来初の全国への切符を手にした西条高校 日本音楽部のストーリーをお届けします!

※再生を押すと演奏が流れます!

1.絶対新入生を入れる!信じて選んだ“龍星群”

皆さん、素晴らしい演奏をお聞きいただいていますか?演奏だけを聞くと、「え?これお琴だけで演奏しているの?」と思う方もいるかもしれません。高音から低音まで幅広い音域のハーモニーが迫力満点ですよね。こちらは間違いなくお琴だけの合奏です。低音を担当する十七絃(じゅうしちげん)というお琴を含めた6パート13人で奏でています

西条高校 日本音楽部は、2022年11月松山で開催された県総文祭で“龍星群”を披露し、全国への切符を手にしました。総文祭の日本音楽部門では、各校で自由に選んだ1曲が演奏されます。この“龍星群”を演奏する!と決めたのは、前年の県総文祭が終わってすぐだったそうです。

前年の県総文祭に出場したのは、2年生2名、1年生3名の全5名。そう、西条高校では、3年生は夏で部活を引退。11月の県総文祭には2年生と1年生しか参加できないんです。翌年の県総文祭に出場できるのは、当時1年生だった3人と新入生。しかし、西条高校の部活動は5名以上いないと廃部来年は遂に廃部になるかもしれない。そんな危機をものともせず、1年生3人で選んだ曲は、パート数が6つと多く、難易度の高い“龍星群”。お聞きいただいている通り、とても華やかな曲です。

この曲は、マンガ「この音とまれ!」の作中曲。主人公が廃部寸前で部員が1名しかいない筝曲部に入部し、仲間と出会い、部存続の危機を乗り越え、全国大会を目指すストーリーです。

通常、総文祭で演奏する曲は、先生が選ぶことが多いそうですが、西条高校 日本音楽部の状況ともどこかリンクし、舞台映えもするこの曲を演奏する!と決めた1年生3人は、新入生に教えられるよう、練習に励んだといいます。

そして迎えた4月。最低2人は入らないと廃部。3人入らないと曲が成り立たない状況にも関わらず、2年生になった3人は、「10人は入れます!」と顧問の先生に宣言。前年の夏休みに中学生の高校見学で行った部活体験での経験も活かし、新入生への部活勧誘をめちゃくちゃ頑張った結果、宣言通り10人の新入生が入部し、13人となった日本音楽部は廃部の危機を乗り越えました!

当時2年生だった3人も、取材時は3年生。「新入生は入ってくれる!と信じて頑張っていました。本当にきてくれてよかったです」と語ってくれました。

2.みんなでつかみ取った50余年の悲願

そして始まった週3回2時間の部活動。11月の県総文祭に向けて、練習を重ねてきた2年生がパートごとに1年生を指導します。

普段、椅子生活の編集担当としては、まず、演奏中正座していられるのがすごい!なんて思っていましたが、演奏を見せていただくと、右手で弦をはじくだけでなく、両手を使う場面があったり、膝立ちになって左手を伸ばし、弦を押さえながら弾いたりと想像以上にアグレッシブなことに驚きました。

ところで、皆さんはお琴の楽譜を見たことがありますか?ピアノなどのオタマジャクシが並ぶ楽譜とは異なり、漢数字で表現されるんです。

そして、私は気が付いてしまいました。“龍星群”の合奏、誰も楽譜を見ていないんです!これまでの練習量の多さが伺えます。

オーケストラとは違って、お琴の合奏には指揮者がいません。つまり、一人一人が自分のパートはもちろん、他のパートの音もよく聞き、全体で1つの曲にまとまるよう演奏するという難しさがあります。そんな全体のバランスなどを的確に指導してくる心強い味方が外部講師の千田 京子先生と白石 真由美先生お二人とも西条高校の卒業生です。

千田先生は、西条高校卒業後、東京芸術大学 音楽部 邦楽科を卒業された日本音楽のプロ。

大学卒業後、すぐに母校である西条高校の恩師に依頼され、体育館でお琴の演奏を披露したところ、当時の生徒から「是非クラブ活動として教えてほしい!」と頼まれたことがきっかけで1971年、西条高校に日本音楽部が創部されました

創部から現在まで50年以上講師を続けておられ、現在も毎週、お住いのある松山から西条高校までご自身で車を運転し指導に来てくださっています。

 そして白石先生は、なんと日本音楽部のOB。脈々と受け継がれる西条高校 日本音楽部の伝統を感じました。

全体のまとまりや音の強弱など的確で分かりやすいご指導

 

千田先生にお聞きすると、“龍星群”は難しい曲ですが、この子たちならできる!と確信されていたそう。これまで技術力は十分だったものの、人数が少ないため迫力に欠け、入賞を逃していたそう。

しかし、お聞きいただいている通り、13人の息の合った演奏は迫力満点。素人の編集担当ですが、一番演奏が難しいという終盤のパートごとの掛け合いでメロディが生まれるところは、圧巻の一言でした。

遂に迎えた2022年11月総文祭の舞台。会場で演奏を聞いた千田先生は、これまでの練習の成果を本番の舞台で十分に発揮した素晴らしい演奏だったと感じたそうです。そして、帰りのバスの中で全国大会出場の吉報が届き、創部50余年初の快挙に車内は歓声と感動の涙に包まれました。

3.受け継がれていく西条高校 日本音楽部の伝統

今年の全国総文祭の舞台は鹿児島県。生徒の皆さん、先生方はバスで8時間かけて鹿児島の地に向かいます。

「全国総文祭では、さらに練習を重ねてレベルアップした西条高校らしい演奏をお届けしてきます!そして何より“みんなで楽しみながらひく”を大切に頑張ってきます。」と意気込みを話してくれました!

取材させていただいた3月5日は春休み期間中にも関わらず、数日後に控えた入学式に向けてお稽古の真っ最中。なんと、西条高校入学式の新入生入場曲はお琴での“カノン”という曲の演奏なんだそう。ここ数年はコロナの影響で録音を流していたそうですが、今年は久しぶりに生演奏が披露されます

千田先生が体育館でお琴の演奏を披露し、西条高校に日本音楽部ができてから50余年。同じ体育館で演奏を披露する日本音楽部の皆さん。迫力満点の生演奏に魅了された多くの新入生が、脈々と受け継がれてきた西条高校 日本音楽部の伝統のバトンの担い手となり、さらに大きな華を咲かせる。そんな予感がした編集担当でした。

▼西条高校HP
https://saijo-h.esnet.ed.jp/

 

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