輝安KOU房活動中!!「市之川鉱山の日」
愛媛県立西条高等学校 2025年6月16日

昨年8月に開催された「第2回 世界に羽ばたけ、市之川鉱山輝安鉱シンポジウム」において、生徒の提案により「市之川鉱山の日」が創設されました。市之川鉱山で採掘された良質な輝安鉱は、その結晶の大きさが世界一と称賛されていたものの、昭和32年に閉山して以降は市民の記憶から薄れ、忘れられた存在となっています。
そこで私たちは、“西条市にある、世界一を後世に残す”ことを目標に、令和7年5月6日に「市之川鉱山の日」を実施し、市民の記憶に市之川鉱山の歴史や輝安鉱を刻み、西条市にある、世界一を後世に残すことを目的に実施しました!
当日は小雨が降る中でしたが、大勢の皆様が武丈公園にお集まりくださいました。
武丈公園から市之川公民館までの約3.5kmを、参加者40名と生徒20名の約60名がウォーキング!市之川鉱山の史跡を巡るスタンプラリーが始まりました。
市之川谷橋では、北側で中央構造線、南側では三波川変成帯の分布を観察できる貴重なスポットとなっています。
私たちはあらかじめ調べた知識をもとに、市之川鉱山付近の地形の特徴や当時の産業・文化の様子を皆様に伝えました。
その後、ゴマハラ発電所→ゲイコ谷跡と各名所跡を、皆様と交流しながら歩きました。
いよいよ、市之川公民館に到着しました。先発隊は、お客様をお出迎えして待ちました。
この日は、課題研究の授業で地元食材を使った商品開発に取り組むカフェ班も参加し、「輝安鉱カフェ」を特別にオープンしました。カフェ班は、地元のパン屋さんとコラボして開発した「すぱーーーん」やコーヒーを来場者の皆様に提供しました。
西条市長もお越しくださり、私たちの活動や研究発表を見てくださいました。
まず最初に、菅様による「丸野川での小規模水力発電の可能性」をテーマとした研究発表が行われました。
菅様は長年にわたり海外でダム建設などに携わっておられ、丸野川での実地検証やデータをもとに、今後100年にわたり持続可能な市之川鉱山の歴史を継承していくための方法の一例を提案してくださいました。
続いて、市之川公民館の矢野館長より、市之川鉱山の歴史や、産出された輝安鉱の結晶の大きさや質が世界一であったことについてご講演をいただきました。
私たち自身もまだまだ知らなかった輝安鉱についての知識を深めることができました。
さぁ、いよいよ輝安KOU房の発表です。
まず、大阪市で開催された「石ふしぎ大発見展」における活動報告や、新商品の開発に向けた取り組みについて詳しく発表しました。市之川公民館の集会室は満席となり、多くの皆様に私たちの活動内容を知っていただく貴重な機会となりました。
本校ではSSH(スーパーサイエンスハイスクール)研究指定校として、科学部が人工輝安鉱の研究に取り組んでおり、高校生として初めて人工輝安鉱の合成に成功しています。「輝安KOU房」と「科学部」の連携によって、新たな輝安鉱の価値創造に挑戦し続けています。
「市之川鉱山の日」の最後のイベントとして、輝安鉱入りボールペンのワークショップを開催しました。天然の輝安鉱や科学部が合成した人工輝安鉱、押し花などを組み合わせて作る「世界に一つだけのMyボールペン」作りは、大人も子どもも夢中になり、楽しい時間を過ごすことができました。
今年は、えひめ西条つながり基金内に設けられている「市之川未来基金」を活用し、地元企業と一緒に新しい商品を開発します。11月に完成する予定です。皆様、楽しみにしてください。
私たち輝安KOU房は、今年で活動9年目になりました。
毎年毎年新しいことに挑戦しながら、市之川鉱山の歴史や輝安鉱の魅力を地域、県内、県外、世界へと伝える活動をすることができました。これもひとえに、地域の皆様との交流や応援、ご尽力をいただき継続することができたと、感謝いたしております。今後も「西条市にある、世界一」をアイデア豊かな活動でPRしていきます。応援お願いいたします!