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多世代が集い・守る「住吉屋」~さあ、江戸時代へタイムトリップ~ 

2023年3月17日。嬉しいニュースが飛び込んできました。
西条市氷見にある江戸時代の古民家「住吉屋 森邸」国の有形文化財に登録される予定であると発表されたのです!(2023年8月に正式に国の有形文化財(建造物)に登録されました)
偶然にも、その1週間前、住吉屋でボランティア活動をしている小松高校、丹原高校の皆さんを取材したところでした。住吉屋で頑張る高校生に教えてもらった住吉屋の見どころをお伝えします。

 

1.小松高校生頑張ってます!

住吉屋は、江戸時代末期(1841年)に建てられた大地主のお屋敷。約180年前の木造のお屋敷が残っているなんてすごいですよね。西条藩、小松藩のお殿様や松山藩の方などをお迎えしたという記録も残っており、とても大きなお屋敷です。

2017年から地元有志による「氷見古民家研究会」が発足し、お屋敷の維持管理や見学会を行ってきました。小松高校では2020年からお庭の整備や見学会のお手伝いなどのボランティアを行っています。
取材当日。見学会は10時~12時ですが、9時にはもう研究会の方々と一緒に草ひきや受付の準備などが。

普段の見学会は月1回ですが、2~4月は雛飾りを特別展示し、毎週日曜日と第2土曜日に見学ができます!
この日、受付を務めた小松高校2年生3人と記念撮影。

3月に小松高校を卒業したばかりの秋山 美結(あきやま みゆ)さんも。秋山さんは住吉屋でのボランティアを通して文化財に興味を持ち、4月から大学で文化財について学ぶそうです。なんと、大学の面接試験前日にも住吉屋で説明のボランティアをしたとのこと!そんな秋山さんに住吉屋について教えてもらいました。

 

2.雛飾りがすごい!

2~4月に行われている雛飾りの展示は、広いお屋敷の中に26台の雛飾りが並びます。衣装の柄が違うのはもちろん、雛飾りごとに顔つきが異なるのも見どころです!びっくりしたものを3つご紹介します。

 

その1 古い雛飾りを見比べて

こちらの中央にあるのが、住吉屋で一番古い100年前の雛飾り。お雛様とお内裏様のお人形が大きめなんですね。
手前と奥は、今では見ない御殿付きの雛飾り。手前は戦前のお雛様で御殿が大きく豪華。奥は戦後(昭和23年)のお雛様で御殿が少し簡素な造りになっています。三人官女の内2人が御殿の中に、1人は階段下という配置なのも変わっていますね。

 

その2 え、七人?

五人囃子のポジションに7人いる雛飾りが!こちらは七楽人(しちがくにん)と呼ばれるそうです。

五人囃子と七楽人は、演奏している音楽ジャンルが違います。五人囃子は能楽、七楽人は雅楽(ががく)なんです。なので、よく見ると持っている楽器が異なり、七楽人の方は琵琶や琴などの弦楽器が登場しています。

 

その3 おとぎ話のワンシーンも

お雛様と一緒におとぎ話や故事、歴史のワンシーンを表す人形を飾ったものも展示されています。桃太郎の桃を割ろうとしているシーンや、花札で見たことがあるシーンなど、是非近くで見てみてください!

 

3. 住吉屋のお屋敷がすごい!

住吉屋のお屋敷自体も見どころ満載!ここは忘れずに見てほしい!というポイントを3つご紹介します。

 

ポイント1 細部へのこだわり

細かい部分の装飾がすごいんです。まず、釘隠しが亀のデザインになっています。

また、ふすまの引手障子の腰板のデザインはふすま、障子ごとに違っておりバラエティに富んでいます。細部へのこだわり、見逃さないでくださいね!

 

ポイント2 実は超高級です

座敷の間はお殿様が使ったお部屋。天井を見上げてください。木目がまっすぐな柾目板(まさめいた)が使われているんです。

柾目板。中学校の技術の授業で習ったような気がします。割れにくい、曲がりにくいという特徴があるものの、木の直径の半分以下のサイズでしか切り出せないので、大きなサイズを切り出すのが難しい高級な板でしたよね。この天井の柾目板、1枚が結構大きいんですが、この板が切り出された原木はさらに倍以上のとても大きな木だったことが分かります。

さらに、柱にも注目してください。四方柾という四面すべてが柾目になるように切り出された最高級の柱も使われているんです。是非、現地で探してみてください!

氷見古民家研究会 顧問の近藤先生には、住吉屋のお庭はお殿様が座るお座敷の間から一番きれいに見えるよう設計されているとも教えていただきました!お殿様気分でお庭を眺めるのも忘れずに!

 

ポイント3 江戸時代のトイレ⁉

住吉屋にはお殿様が使ったトイレ(雪隠(せっちん))が残っているんです。和式トイレって昔から変わらないなあと思っていたら、想像とは反対向きで座って使っていたそうです。背中側の板は着物をひっかけるために使うものだそうで、「なるほど!」と思いました。

トイレを出たところには、手を洗うための手水鉢が。しかも、手水鉢のすぐ下の地中には「水琴窟(すいきんくつ)」があり、手を洗った際の水滴が反響して琴のような音が聞こえるんです。こんな仕掛けまで作ってしまうなんて本当にすごいですよね。

 

4.外側やお庭も見逃さないで

お屋敷の外も見逃せません。駕籠(かご)で乗りつける玄関の両脇の水路は石造りの江戸時代のものが残っていたり、

広いお庭には季節のお花が咲き乱れます。3月は菜の花が満開でした。

さらにお庭では、はがきの語源になったという木も。タラヨウの葉っぱの裏側は、ひっかいたところが黒い線になって残るんです。昔から記録や情報のやり取りに使われており、明治時代に郵政制度が作られた際に、葉っぱに書いたから葉書。という漢字になったんだとか。知らなかった!

 

5.みんなで守り、集う文化財に

お屋敷もお庭もとても広い住吉屋。丹原から自転車できたという丹原高校生たちは、お庭の整備を頑張っていました。

住吉屋は入場無料。皆さんボランティアなんです。無料で見せてもらうのが申し訳なくなり、思わず帰りに寄付箱に小銭をチャリンと入れました。

小松高校生たちは、ZENメッセンジャーという、西条市ローカルベンチャー事業で立ち上がった寄付を集めるアプリ(詳細はこちら)を使って集めたお金や、住吉屋でのボランティア活動などについてコンテストで発表し、その賞金を寄付したりと、様々な方法で住吉屋の保存活動にも協力しているんです。

ボランティアに参加している生徒は、住吉屋では毎月色々なイベントを企画していて、小学生も来てくれるのでふれあいが楽しいんです。と話してくれました。

また、今回お会いした古民家研究会の方は、秋山さんが大学に合格したことを自分のお孫さんのことのように喜んでいらっしゃいました。

住吉屋は、建物自体が残っていることももちろんすごいです。でも一番すごいのは、住吉屋が地域の大人から高校生、小学生と様々な世代が集い、守り、交流する場になっていることだと思いました。

あなたも歴史に触れ、それを守っていこうと頑張る多くの人の温かみに触れに住吉屋へ行ってみてください!

 

【住吉屋の雛飾り】
開催日:2・3・4月 毎日曜日・第2土曜日
時間:10時~12時
場所:住吉屋(西条市氷見丙(上町)658番地)※駐車場あり

※5~1月は、毎月第2土曜日に見学会と共にお茶会・音楽会などのイベントが開催されています(8月、10月は第1土曜日開催)。詳細は、HPや氷見公民館だよりでご確認ください!

 

▼小松高校生、丹原高校生の活躍は学校のHPでも!
愛媛県立小松高等学校-学校公式サイトー

愛媛県立丹原高等学校 -学校公式サイト-

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