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西条でサーモン養殖!?JR四国と地元漁協の新たな挑戦!

1.西条でサーモンを陸上養殖!?

ある日、ニュースが飛び込んできました。
JR四国が愛媛県漁業協同組合ひうち支所(以下、ひうち漁協)と共同で、サーモンの陸上養殖をはじめるというのです。
まさかのニュースに驚いた市民も多いはず。
JR四国は鉄道事業以外の収益拡大にチャレンジしており、サーモンの陸上養殖に商機を見出したとのこと。昨年8月には、西条に先駆けて熊本県で試験養殖を開始し、年末には初出荷も果たしています。

しかし、なぜ西条で?本当にできるの?おいしいの?
今回は編集部が養殖現場に潜入し、その疑問を探ってきました!

2.なぜ西条でサーモンなのか?

(1)サケ・マス類は約8割が輸入品!?

サーモンと言えば、ノルウェー産などの輸入サーモンが思い浮かぶのでは?
なんと、サーモンが含まれる「サケ・マス類」の約8割が輸入品
「サケ・マス類」に限らず、魚が大好きな日本は世界でも上位の水産物輸入大国なんです。
しかし、輸入が多いということは、国際情勢によって供給が不安定になったり、価格が高騰してしまう等、大きなリスクもはらんでいます。

(2)世界で魚が足りなくなる!?養殖の重要性が高まる理由

世界では今、魚介類の消費量が急増しています。ここ50年で、世界の魚介類の消費量は約5倍になりました!

 

また、養殖魚が占める割合もこんなに増えているんです!

どうしてこうなったのか、それは世界の人口がどんどん増えているから。1950年に約25億人だった世界の人口は、2020年には約78億人になりました。
人口増に伴って水産物の消費量が増える一方で、漁業による漁獲量は、1980年代後半以降ほぼ横ばいです。海の資源は限られており、不足分は養殖業で補うしかありません。私たちにとって、いまや養殖魚は無くてはならない存在なのです。
なかでもサーモンは、今世界中で需要が爆発的に伸びています。
このような状況を踏まえて始動したのが、今回の「西条産サーモンの陸上養殖計画」
国産品は、鮮度、価格、安定供給の点において輸入品より優位性があります。
つまり、西条産の陸上養殖サーモンには商機がある・・・!

(3)決め手はうちぬき水!?

でも、なぜJR四国は養殖場として西条を選んだの?
それは、陸上養殖には安定した水温と水質が保てる大量の地下水が必要だからです。そう、西条には条件にぴったりの水があります。私たちが全国に誇る名水「うちぬき」が!!!
西条なら水質・水量ともに申し分ないこと、これが決め手になりました!

3.漁協のプロジェクトリーダーは語る

さて、プロジェクトの現場、ひうち漁協にやってきました。
現場リーダーを務めるのが、貴良水産株式会社の代表取締役・浅木厚貴さんです。

浅木さんは、今日も水槽の状態と稚魚の様子に全集中しています。
「ようやく落ち着いてきたんやけど、ここまでが大変やった」
そう言って過去に思いを馳せる様子は、激動の日々を感じさせます。

漁協にとっても初めての挑戦。当然、困難は覚悟のうえ。課題に直面するたびに知恵を出し合い、乗り越えてきましたが、稚魚の体調管理には特に苦労したそう。
毎日朝から晩まで水槽に付きっきりで、
餌の量や水質・水流の管理を試行錯誤。その努力の甲斐あって、今では稚魚たちも元気に泳ぎ回っています。
これらは、長年の漁師としての経験があったから出来たことです。

このような困難を一つ一つ克服し、ようやくここまで辿り着きました。
「絶対に成功させる!成功させる自信もある!」
西条をサーモンの町にする覚悟の目です。
漁師として長年培ってきた経験と誇り。それに裏打ちされた揺るぎない自信と、プロジェクトに対する責任感――。
浅木さんの全身から、それら全てがにじみ出ていました。

ところで、これだけは聞かねばなりません。
“陸上養殖のサーモンって美味しいんですか??”
「俺も食べたんやけど、めちゃくちゃ旨いよ!びっくりしたもん」
良質な水と不純物の無い餌で育つため、臭みがまったく無く、脂がのった身は鮮度抜群!
陸上養殖サーモンはめちゃくちゃ美味しいらしい!

4.特許の水槽で育つ小さな命たち

ここが、特許の水槽を設置した陸上養殖場です。
直径5メートルの水槽13基を設置し、トラウトサーモンの稚魚約4,700匹が元気に泳いでいます。

水は「うちぬき」を「かけ流し方式」で使用しています。餌には粉ミルクを混ぜ込むことで、抜群の味わいを持つブランドサーモンへと育てていくのです。
ここで育つサーモンは、一生をこの水槽の中で過ごします。陸上だけで育つ、いわゆる「おかそだち」のサーモンです。
事業が軌道に乗れば、水槽の数も徐々に増やしていくそう。

立派なサーモンになって、西条の名を全国に広めておくれ。
小さな命たちは、今日も力強く育っています。

5.みんなも食べてみたいよね?いつ食べられる?

この記事を読んでいるみなさんも、西条産のサーモンを食べたくなったはず。
いつ頃食べられるのか、気になりますよね?
JR四国によると、来年4月頃の出荷を目指しているそうです。
地元の飲食店で提供、首都圏への出荷、ふるさと納税の返礼品などを検討しており、水の都西条のブランド養殖サーモンとして、販路拡大を目指していくそう。
みなさんの食卓に並ぶ日もそう遠くないかもしれません!
西条産サーモン、デビューの日が待ち遠しいですね!みなさんも応援してね♪

 

■出典
農林水産省「農林水産物輸出入統計(令和5年分)」
農林水産省「令和5年漁業・養殖業生産統計」
・水産庁「令和5年度 水産白書」
図表4-1 世界の漁業・養殖業生産量の推移
図表4-7 世界の水産物輸出入量の推移
・水産庁「平成28年水産白書」
図Ⅰ-1-3 政界の魚介類消費量の推移(粗食料ベース)

■参考文献
石川伸一(監修)・清水洋美(著)
『どうなるの?未来の食べもの 最新フードテックの世界に潜入! ③【魚】完全養殖でマグロやウナギを絶滅から守れ!」汐文社、2023年3月

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