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「ベトナムを愛する気持ちを伝えられれば・・・」~LOVE SAIJO大阪だより~

<目次>
1.皆さんのベトナムのイメージは?
2.いざ、喫茶ルプラさんへ!
3.須田さんにインタビュー
4.夫婦で見た、愛するベトナム
5.須田さんが伝えたかったもの
6.愛のこもった写真展

こんにちは!関西圏にお住いの学生等のUターンを支援している大阪事務所の白岡です!

『土佐兄弟』じゃないよ!白岡だよ!!

西条市を離れ、一人、大阪で走り回る日々ですが、たまたま故郷である西条市をふと感じる出来事があったので、皆さんにお伝えしたいと思いました。
ということで、今回は大阪で開かれた西条市在住の方の写真展についてご紹介します!!

 

1. 皆さんのベトナムのイメージは?

皆さん、「ベトナム」と聞くと、どのようなイメージを思い浮かべますか?
・料理がおいしい!(フォー、バインミー、生春巻きなど)
・バイクがたくさん走っている
・ハノイやホーチミンの街
・ベトナムの民族服「アオザイ」

ベトナムに少し詳しい方なら
・バッチャン焼き
・市場経済が導入された「ドイモイ政策」
・米やコーヒーの輸出が多い
・ホイアンのランタン
などを思い浮かべるでしょう。

もしかしたら、西条市とのつながりが深いベトナムの「フエ市」を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか?
フエ市とは2005年、防災研究に取り組むフエ農林大学と京都大学大学院地球環境学堂の共同チームが本市を訪れたことをきっかけに両市の交流がはじまりました。
2011年にはJICA「草の根技術協力事業」を受託し、2012年には全国で初めてとなるベトナム人国際交流員「チュオン・ディン・レー氏」をフエ市から招致し、2013年以降隔年で開催される「フエ伝統工芸フェスティバル」に西条市ブースを出展するなど、両市の交流は盛んにおこなわれてきました。
2018年4月5日には、西条市・フエ市間の友好都市提携を締結いたしました。

さて、そういったベトナムですが、現地の人がどういう環境で、どういう生活をしているかについて、詳しい人はなかなかいないのかなと思います。
そんなベトナムの写真展が、大阪の上本町にある「喫茶ルプラ」さんで開催されていましたので今回ご紹介します。

実は、今回のベトナム写真展は、現在西条市に住んでいる須田卓哉さんと奥さんの弥生さんによって撮影された写真が展示されております。
ではなぜ、大阪でこのような展示会を開催することになったのでしょうか?それには深い理由がありました。

 

2. いざ、喫茶ルプラさんへ!


喫茶ルプラさんは、Osaka Metro「谷町九丁目駅」から徒歩10分、近鉄線「大阪上本町駅」から徒歩5分くらいの場所にあります。JR線や近鉄線「鶴橋駅」からも徒歩7分程度で、とてもアクセスしやすい場所にあります。

谷町九丁目(大阪の人は「谷九」と呼びます!)からテクテク歩いていくと、住宅街にひっそりと佇む洋風な建物が目に入ってきました。
お洒落な純喫茶の落ち着いた雰囲気で、大学回りで歩き疲れた僕の体が吸い込まれるように入っていきました。


今回頼んだのはルプラさんオリジナルブレンドのホットコーヒー。
50年変わらない配合で、癖が少なく、ストレートで楽しめるコーヒーでした!


ベトナムのバインフランをアレンジして作られたプリンも大人気です。

また、ルプラさんでは、定期的に「みんなでつくる本の交流会」や8mmフィルムを使った上映会「はじめてみるのに懐かしいフィルムの世界」を開催しています。
読まなくなった本を持ち寄り新しい本に出会うことができたり、フィルム映画を楽しむこともできます。
(最後にURLを貼っておりますので、興味がある方はぜひ参加してみてください)

ルプラさんでは、そんなお話も聞きながら、ゆっくりとした時間が過ぎていきました。
木漏れ日の降り注ぐ小さなお庭や、我が家感覚でなごめるソファなど、ゆったりした居心地が満喫できます。
ティータイムには手作りチーズケーキや自家焙煎珈琲を、ランチには季節の野菜やヘルシー志向の洋食メニューが取り揃えられています。

美味しいコーヒーを飲むと、疲れが吹っ飛び、気分がルンルンになりました。


店内は広々とした造りになっています。
木の素材を使った店内は、木立の空気が漂い、落ち着きを感じる空間です。


そして、このお店の看板の文字。実は、「新婚さんいらっしゃい!」や「探偵!ナイトスクープ」などのタイトルを手書きで制作している竹内志朗さんに書いていただいたみたいです!
確かに既視感があるような・・・!?


そして、この店のマスターは「西峯マスター」です。
西峯雅仁さんは、父の「若い頃は料理を極めたほうが良い」という助言から、大学卒業後にセブン&アイ・ホールディングスのレストラン事業部で全国を飛び回ったり、カフェブームの火付け役である「the earth cafe」などでの経験を通してフレンチやイタリアンなどを学んでいきました。
そして、先代である父の喫茶店を30歳手前で継ぐこととなり、コーヒーについて猛勉強。
奈良県初の喫茶店「可否茶座(コーヒーちゃざ)アカダマ」(昭和29年創業)で、マスターとしての心構えなどを勉強しました。

この修行では、アカダマのマスターから
「2代目であるということから、先代と比べられることがたくさんある。だから、客観的に分かるような自分の強みを持つべき」
というアドバイスを頂き、自分の強みをどうしようかと考え始めました。

まずは、東京や名古屋の喫茶店をたくさん回りました。ただ、西峯マスターはそれだけでは足りないと思い、コーヒーの一大産地であるベトナムに行って、生でコーヒー農園を見よう!と決心しました。

その際、ベトナムの案内でお世話になったのが、友人経由で知り合った「弥生さん」でした。

次第に親しくなっていくうちに、弥生さんの夫である「卓哉さん」と会うこともありました。
新型コロナウイルスの影響で西峯さん自身がベトナムに行くことは難しくなりましたが、以前からの親交もあり、今回喫茶ルプラさんで写真展が開催される運びとなりました。

さて、それでは卓哉さんと弥生さんによって撮影された写真を見てみましょう!!


すごく素敵な写真ばかりです。フィルムカメラや二眼レフならではの雰囲気と、撮影者の思いが伝わる構図、そしてベトナムならではの風景、すべてに心を動かされます。

須田さん夫婦についてもっと知りたい!と思ったので、須田卓哉さんに連絡をとってみることに!

須田卓哉さんに連絡を取ってみると、快く引き受けていただきました。
ということで、後日西条でお話を伺うことに。

 

3.  須田さんにインタビュー

白岡「今日は足元が悪い中、お越しいただいてありがとうございました!」

須田卓哉さん「いえいえ、こちらこそ遠いところから雨の中ありがとうございます!」
(実は台風が接近していた日が取材日と重なりました・・・)

白岡「それでは、簡単に須田さんの経歴についてお伺いしたいのですが・・・」

須田卓哉さん「もともと僕は新潟出身です。新居浜ではなくて、新潟です!(笑)大学は東京に進学し、大手旅行会社に就職。しばらくすると海外へ挑戦したいという気持ちが芽生え、仕事をしながら日本語学校の資格を取得。その後会社を退職し、2007年にベトナムの田舎で日本語教師として働き始めました。」

白岡「ベトナムの田舎となると、日本語や英語で話すのは難しいのではないでしょうか?」

須田卓哉さん「そうなんです。なので、事前に必ず通訳はお願いします!と伝えていました。先方がその内容で承知したので、ベトナムへ渡りました。ただ、そこには通訳の人はいませんでした・・・

白岡「えっ!コミュニケーションが取れないと、何もできないですよね?」

須田卓哉さん「そう!言ってたことと違うじゃないかと。なので、しょうがなくベトナム語を勉強し始めました」

白岡「ベトナム語の勉強のきっかけは、勉強せざるを得ない状況が引き起こしたんですね」

須田卓哉さん「そして、2009年の春、僕は田舎の日本語学校をやめ、ハノイの日本語学校で働くこととなりました。そこで、同じく日本語学校の教師をしていた弥生と出会いました」

白岡「その時のお互いの第一印象は、どうでしたか?」

須田卓哉さん「お互いのイメージは最悪でした(笑)僕はちょうどその時は病んでいたこともあり暗くなっており、妻は気が強かったので、気が合うはずがないと思っていました(笑)ただ、お互いお酒を飲むことが大好きで、徐々に意気投合し、2010年11月25日に、付き合うこととなりました。今でも覚えているのが、一緒にお酒を飲みに行ったときに、1日でウォッカを7本空けてしまいました!(笑)

白岡「ぇぇぇえええ!!それは飲みすぎですよ!(笑)お二方とも強すぎます!!」

須田卓哉さん「自分たちでもびっくりしていましたね(笑)その1年後の2011年11月25日、婚姻届を提出しに大使館に訪問。晴れて家族となりました!

タイトル:ポートレート
撮影者:須田弥生
弥生さんが撮影した卓哉さん

白岡「やっぱりお互い共通の好きなものを持つのはいいですね!」

須田卓哉さん「しばらくすると、世界各地へ旅行を行い、その場所で写真を撮ることが、2人の趣味となりました。1年に2回海外旅行することが定番になり、様々な国を訪問し、多くの写真を撮影してきました」

白岡「僕も海外旅行好きなので、とても羨ましいです!」

須田卓哉さん「ただ、2019年12月、急に妻がお酒を飲めなくなりました。その後2020年5月、とうとう病院嫌いな妻が自分から病院へ行きたいと言ってきたので、病院で診てもらいました。すると・・・なんと!妊娠していることが発覚しました! その時で既に、妊娠27週でした(笑)そして、我が子は約3か月後の2020年8月9日に生まれました。」

白岡「今2歳になられているお子さんですね」

須田卓哉さん「それから約2年後の2021年12月、妻は重度のヘルニアと診断され、日本へ戻ることとなりました。ただ、コロナ禍ということもあり、日本人でも簡単に移動することはできませんでしたので、日本到着後はしばらくホテルで隔離生活をしておりました」

須田卓哉さん「その最中、妻の弥生が“救急車を呼んでほしい!”と自ら言ってきました。病院嫌いな妻がそんなことを言うとは・・・とただ事ではないと思いました。すぐに救急車を手配しましたが、隔離期間中のため救急車を呼ぶことが難しく、近くの消防署に駆け込んでなんとか病院に搬送されました。翌日の12月29日、弥生さんがステルス性胃がんステージ4の末期ですでに助からない状況だということが伝えられました。」

須田卓哉さん「その後、義母と本人の希望で、ギリギリの状態で兵庫県にある弥生さんの実家に帰省。今年2022年の1月10日に他界しました。」

須田卓哉さん「妻を亡くしてから、時間が過ぎ去るのはあっという間でした。ひとり親での子育てとなる為、ベトナムでの仕事や生活にはいったん終止符を打ち、日本に帰国することにしました。」

須田さんはその後、ベトナム語を生かせる仕事を探していました。そこに手を差し伸べたのは、西条市内の企業である「株式会社藤田製作所」さん。
西条市役所移住推進課にも相談し、2022年3月31日に転入。現在はお子さんと2人で暮らしております。

 

4.  夫婦で見た、愛するベトナム

ここで、今までに須田さんご夫婦が撮影してきた写真を少し紹介します。

タイトル:まなざし
撮影者:須田卓哉
山岳地帯、サパに住む少数民族の少女のまなざし。
憂いを含みつつも輝くその瞳を、モノクロで印象的に描きました。

タイトル:旧正月を駆け抜けろ!
撮影者:須田卓哉
旧正月の早朝、ハノイ駅を出発してサイゴン駅へ向かう列車を捉えました。
国旗が彩る路地裏が印象的な作品になりました。


タイトル:祈る人たちの為に
撮影者:須田弥生
ハノイ郊外の「線香村」は旧正月前に最盛期を迎えます。
紅く彩られた線香のお束と職人を鮮やかに描いた作品です。

タイトル:Mẹ
撮影者:須田弥生
タイトルはベトナム語で、「母」。
そのタイトルが示す通り、仕事から帰る女性を自分の母親に重ねた、母への感謝を表す作品です。

 

5. 須田さんが伝えたかったもの

白岡「今回なぜ写真展を開こうと思ったのですか?」

須田卓哉さん「妻は生前、いつかは個展を開きたいね!と話していました。そういったこともあり、妻が生きた証である、彼女が撮りためた、私と妻の愛したベトナムの風景を、妻がどういう感性で作品に収めたのか。そういったことを皆さんに感じてほしかった。写真を通じ、私たちが見た風景とともに、ベトナムを愛する気持ちも伝えられれば・・・」

 

6.  愛のこもった写真展

改めて写真を見てみると、それらは全て単に「ベトナムを撮影した写真」ではなく、
・二人で一緒に過ごしたベトナムの写真
・二人で一緒に撮影したベトナムの写真
・二人が愛したベトナムの写真・・・

さらには、二人の思い出を見ている、そういう気持ちになりました。
弥生さんが他界した後も、写真として、弥生さんの思いは残っていく・・・
そういった、写真ならではの表現方法で、二人の見た風景とともに、ベトナムを愛する気持ちがかなり伝わってきました。

白岡「西条市に移住してみていかがですか?」

須田さん「半年しか住んでいないですが、好きになりつつありますよ!北は瀬戸内海、南は石鎚山、そして水。こんな場所はほかにはないです!

同展覧会は、今後全国を巡回する予定になっています。

二人のベトナムへの愛、さらには卓哉さんの奥さんへの愛を感じる写真展。みなさんも見に行ってみませんか?

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【喫茶ルプラさん】
・住所:大阪府大阪市天王寺区小橋町8-15
・アクセス:近鉄線「大阪上本町」駅から徒歩約5分/JR大阪環状線「鶴橋」駅から徒歩約7分
・営業時間:平日8:00~14:00(L.O.)・15:30~18:30(Closed)/土曜 8:00~14:00(Closed)
・定休日:日曜・祝日
・Instagram:lupra_coffee

○【餅のようなプリン】どんぐり #12【片っ端から喫茶店】かわいすぎるブタ釜とは【喫茶店×名著】
https://www.youtube.com/watch?v=uqPphxJZqPQ

○はじめてみるのに懐かしいフィルムの世界
2022年10月22日(土)15:00~18:00(参加費1,000円プチデザート付き)
http://lupra-coffee.shop-pro.jp/?pid=149101726

○みんなでつくる本の交流会
2022年12月3日(土)15:00~18:00(参加費無料)
http://lupra-coffee.shop-pro.jp/?tid=28&mode=f17

 

【須田卓哉さん】
・Instagram:flyinglion

〇展示会情報(東京)
期間:令和4年10月8日(土)~10月16日(日)
時間:11時00分~22時00分
場所:Wich Pho吉祥寺店(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-11-12 B1F)

〇展示会情報(千葉)※来店前要予約
期間:令和4年11月26日(土)~12月4日(日)
時間:11時30分~14時00分/17時00分~22時30分
場所:Costa Del Sol Mijas(千葉県佐倉市上志津1822-20今村ビル2F)

私が書きました

LOVESAIJO×OSAKA

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西条市大阪事務所です! 「西条と関西のつながり」をキーワードに関西でのヒト・モノ・コトを紹介してまいります。

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