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この地の神様が私を導いてくれた。

日本では古くから山や海、風などの自然をはじめ、衣食住を含むあらゆるものには神様が宿ると信じられ、八百万(やおよろず)の神様として人々の暮らしとともに信仰されてきました。こうした神様が住む場所が神社であり、初詣や厄除、祭りや七五三などの行事や、人々の様々な願い事を受け入れる「心の拠り所」として私たちの生活の一部にとけ込んでいます。
神社にお仕えするのは男性が多いというイメージですが、近年は女性神職が増えつつあるそうです。
西条市最大規模の「西条まつり伊曽乃神社例大祭」の舞台でもある伊曽乃神社にお仕えする越智愛(おちあい)さんもそうした女性神職。彼女が神様に奉仕する道を進んだきっかけ、そして神職として伝えたいことを伺いました。

 

#1 アルバイトへのお導き

越智さんは香川県高松市の生まれ。父親が転勤族だったため、小さい頃は東京や松山など各地を転々としていました。周りの友達と打ち解ける前に引っ越さなければいけない環境は少し寂しく、ようやくひとつの場所に落ち着いたのは西条市に住み始めた中学生の頃だったそうです。そんな彼女と神職との出会いは、“このまちならでは”のものでした。
西条市内の高校では冬休みの期間中、生徒が従事することを公式に認められていたアルバイトが3つあります。それが特産品「春の七草の収穫」と「年賀状の郵便配達」、そして「神社の神子(みこ)さん」です。
越智さんは特に意識せず、伊曽乃神社での神子さんを選び、初詣客を相手におみくじの販売やお神酒のふるまいなどを行いました。


「あの当時は神子さんの服装に憧れていたこともありましたが、神社の仕事そのものがやってみたら楽しくて仕方なかったんです。寒い時期だしとても忙しいのですが、まったく苦にはなりませんでした。あの頃から既に神社の魅力に惹かれていたと思います。」
“このまちならでは”の環境から生まれた神社の経験は、彼女にとってとにかく楽しい思い出として刻まれていたようです。

 

#2 伊曽乃神社へのお導き

越智さんは松山市の大学へ通うようになってからも、旅行先で各地の神社めぐりをしていました。やがて4年生になり就職先を考える時期がきましたが、その頃は就職氷河期で、学生たちがなかなか就職先を選べない時代。幼い頃に多くの引っ越しを経験したことから、就職するなら故郷である西条市内でと決めていました。そんな時に伊曽乃神社で神子さんの求人があると聞き、即決したそうです。
転勤ばかりの生活は嫌でしたし、あの楽しい仕事がまたやりたいと思って。通っていた大学はカトリック系だったのですが(笑)。西条に帰れるし、好きな場所で仕事できるし言うことないな、って。今にして思うと、たまたまその求人を見つけたのも、すべて神様のお導きだったのかなと思います。」

 

#3 神職へのお導き

神社の専門職である神職になるためには、「神社本庁」の神職資格の取得が必要になります。資格を取得する手段はいくつかありますが、専門の大学を卒業するか、神社からの推薦をもらって養成講習会を受講するのが一般的。しかし、講習会を受講するために必要な推薦状は「家が代々神職」といった人たちが優先され、一般家庭の人にはなかなかチャンスが巡ってこないそうです。
「神社は『世襲』される人が多いんです。その中でも女性の神職は全体の2割くらいですが、大体は神社の奥さんや娘さんなので、私のように両親がサラリーマンの家はさらに珍しいと思います。」
神職の世界は全体の人数も少なく狭い世界。元々神社に縁が無い越智さんはいかにして「世襲の壁」を突破したのでしょうか。

「これもお導きだと私は思っています。少しでもお役に立てるよう勉強していたら、当時の宮司さんが神社本庁へ推薦してくださって。それからも勉強を続けて段階的に資格を取得していきました。」

伊曽乃神社にお仕えして14年が経った平成25年、神職資格を取得した越智さんの伊曽乃神社権禰宜(ごんねぎ)としてのお勤めが始まります。
彼女を突き動かしていたのは、上へ行きたいという向上心ではなく、少しでも神様の役に立ちたいという奉仕の心でした。

 

#4 みんなの幸福へお導き

神社での仕事は、普通のサラリーマンと同じように朝8時30分から始まり17時に終わります。拝殿で神様に挨拶、朝のうちに境内の掃除を行います。社務所で参拝者の祈願受付や御朱印帳の印を押したり、秋まつりに向けての資料作成やお札づくりなどが彼女の主な仕事。土日に参拝する人が多いため、土日の休日はほとんどありませんが、越智さんはこの仕事は健康的で楽しいと微笑みます。
「都会に行った友達からは朝から晩まで太陽を見ないで過ごすなんて聞いたりもします。それに比べたらここは季節感もあるし、境内を歩くとすがすがしい気持ちになります。何よりここでの仕事はおめでたい場面が多いので、悲しい気持ちになることがありません。七五三とか、みなさんの人生のおめでたい節目に自分が関われることがうれしいんです。」

 

#5 西条市とのご縁

伊曽乃神社は西暦137年から1,800年以上もの長きに渡ってこの地で人々の心の拠り所として在り続けています。神道への信仰を求めて西条市での暮らしを選択した越智さんにとって、このまちはどのように感じられるのでしょうか。

「ここは程良い都会で程良い田舎って感じですね。特に不便なことは無いし、やはり水と食べ物がおいしいです。資格を取るために40日ほど東京に行った時は、ずっとケータリングばかりでここの食べ物が恋しくなりました。それから西条の人って、シャイだけど、仲良くなるとどこまでも人懐っこいと言うか…。そんな柔らかい人柄も含めて全部が好きです。『住みたい田舎ランキング』※で上位にくるのもわかります。」

神社の持つ神聖な雰囲気や空気をやさしく包んできた西条市、そしてそれを支える人たちが大好きだと越智さんは言います。

 

#6 みんなの笑顔を護るため

西条市の秋まつりの中でも最大規模を誇る伊曽乃神社祭礼は、10月15日朝の「宮出し」から、16日夕方の「宮入り」まで丸2日間行われます。また、クライマックスの「川入り神事」というシーンでは、祭りの終わりを惜しみ、10台余りのだんじりが宮入りに向かう御神輿(ごしんよ)を囲んで練りあいます。そんな中、越智さんは祭りに携わる神職としてみんなに知ってほしいことがあるそうです。

伊曽乃神社例大祭の川入り

「暗くなって提灯を灯した川入りも綺麗ですが、伊曽乃神社の神様は太陽の神様でもある天照大神(あまてらすおおみかみ)です。だから御神輿は日没前の明るいうちに神社に帰れるようにして、祭りは神事であるということを大切にしてほしいんです。」
だんじりの数も増えると予定時間内に巡行するには各所の協力が必要です。今年は令和になってはじめての秋まつり。天候にも恵まれ、最高のまつりとしてクライマックスである川入りを迎える中、夕日を浴びて伊曽乃神社へ帰っていく御神輿の姿がありました。彼女の想いは少しずつ祭り人にも届いているのかもしれません。

最後に、越智さんから今後の目標とみなさんへのメッセージをいただきました。

「伊曽乃神社は祭りのイメージが強いかもしれませんが、初詣や月次祭(つきなみさい)などイベントも色々行っています。もっともっと皆さんの身近な存在として感じてもらって、たくさんの人にお参りしていただけるよう、まだまだ勉強していきます。この仕事はのほほんとしている自分に向いていたと思います。神様から『もう、いらない』って言われるまでは、健康に感謝しながら頑張ります(笑)。」

そう語った彼女は、みんなが笑顔になれる場所を誰よりも清らかな笑顔を絶やさずに今日も護り続けています。

 

 

#7 伊曽乃神社

伊曽乃神社は皇祖天照大御神(アマテラスオオミカミ)と国土開発の祖神である武国凝別命(タケクニコリワケノミコト)をお祀りし、御鎮座から一千八百有余年という長い歴史を有します。御祭神、武国凝別命の子孫は東予一帯に広く栄えて伊曽乃神社の強力な氏人として氏神をささえてきました。伊曽乃神社は奈良時代には伊予国第一の大社として皇室の御崇敬も厚かった神社であります。
(伊曽乃神社公式WEBサイトより)

伊曽乃神社公式Webサイト
http://www.isonojinja.or.jp/

2019年西条祭りの様子はこちら
https://youtu.be/xGQJgsBcV50

※宝島社『田舎暮らしの本』2月号の「2019年版 住みたい田舎ベストランキング」において、“若者世代が住みたい田舎部門”と“自然の恵み部門”の2部門で全国5位、“総合部門”など全5部門ですべて四国1位を獲得しました!

 

 

私が書きました

Co-あきない宣言 編集部

Co-あきない宣言 編集部

Co-あきない宣言の編集担当です。 西条市では、市内で働き、輝いている市民をストーリー化して発信することで、西条市をPRしております!まだまだ不慣れですが、頑張ってシリーズを重ねてまいりますので、是非ご覧ください。

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