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フランスで学び、西条へJターン。地元の人が誇れるまちへ。

住宅街にひっそりと佇む1軒の洋館。今回インタビューしたのは、その洋館でフランス料理を手がける料理人の上甲裕樹(じょうこうゆうき)さん。
愛媛県西条市より南西へ約70㎞。周囲を山に囲まれた西予市野村町で生まれた彼は、国内外でフレンチの修行をした後、2019年に愛媛県に帰ってきました。
そして、レストランVille natale(ヴィルナタール)のオープンに選んだのは西条市。フランス修行の経験を活かし、これから目指していくこととは。

 

#1 「アレ・キュイジーヌ!(料理始め!)」

「子どもの頃はほとんど料理をしたことがなかったです。」
そう話す上甲さんが料理人を目指すきっかけは、高校生の頃にさかのぼります。
「当時、『料理の鉄人』というテレビ番組が流行っていたんですよ。そこに出ている料理人の姿を見てこの道に進みたいと思うようになりました。」
こうして料理の道を歩むことを決断し、大阪の調理師専門学校に進学、元々洋食が好きだったこともありフランス料理を学んだそうです。

専門学校卒業後、名古屋にある外資系のホテルに就職。しかし、入社当時はフレンチをやらせてもらえなかったと当時の様子を話します。
「ホテルに就職しちゃうと、どこに行かされるかが分からないんですよ。私の入ったホテルには、テーマレストランというのがあって、当時はカリフォルニアをテーマにした料理を作っていました。」

 

#2 本場フランスへの憧れ


上甲さんが、ホテルで腕を磨き続けて5年が経ったころのことです。先輩から「ホテルを辞めてフレンチの店を開業するので来てほしい。」と誘いがあり転職。さらに腕を磨いていきました。その後も、知り合いの方々から声がかかり、愛知県内を中心に様々なレストランでフレンチの修行を積んでいったそうです。
そして、28歳の時にとうとうフレンチの本場フランスに修行に行くことを決断します。
「修行しているうちにフランスで学びたいという思いが強くなっていきました。」
単身フランスで修行を始めた上甲さんでしたが、初めは苦労したそうです。
「フランス語については、事前に独学で勉強して行きましたが、初めは何を言っているのかほとんどわからなかったです。」
彼は、その都度自分で学んで覚えていきましたが、さらに苦労したのは、料理用語でした。
「日本でも、寿司用語があるみたいに、普通のフランス語とは少し違うこともあります。器具一つにしても何でこんな言葉を使うのだろうというものがあったり、独特の切り方なんかもありました。」
ただ、フランスの料理用語に慣れるまであまり時間はかからなかったそうです。それは、修行していたお店のおかげだと言います。
「私が修行に行った「Michel Chabran(ミシェル シャブラン)」と「MAISON DECORET(メゾン デコレ)」は、従業員の仲も良く、フレンドリーに教えてくれました。」

また、日本とフランスでは文化の違いもあると感じたそう。
「日本のお店は、わりと従業員ってくくりだけど、フランスはチームでやっている感じなんです。みんなで1つになっているという感覚があります。そういう点でいうと日本の方が厳しいですね。」
上甲さんは、フランスで約2年間修行し、仲間とともに腕を磨いていきました。

 

#3 何もできなかった悔しさをバネに

帰国後は、名古屋にある知り合いのレストランで働きだしました。この頃から地元愛媛へ帰りたいという思いが強くなったと言います。
「チャンスがあれば帰ってこようと思って、その頃、愛媛での就職先を探していました。だけどなかなか就職先がなくて、できるだけ地元に近い関西で働いていたこともあります。」

地元への思いが強くなったのは、フランスに行ったことによるそうです。
「遠くに行くことによって、日本だったり愛媛だったり、自分の住んだまちの良さを知ることになりました。それまで当たり前だったものなんかが当たり前ではないということを実感するようになるんです。」
そんな思いを抱きながら石川県のレストランで働いていた2018年のことです。地元が被災したというニュースを目にしました。
後に西日本豪雨と呼ばれるこの災害では、彼の地元である西予市野村町も市街地を流れる肱川が氾濫し、多くの住民が被災しました。
「地元が被災している中、自分は何もできなかった」と感じた上甲さんは、この時に愛媛へ帰り開業することを決意します。そこで開業場所を探しているときに巡り合ったのが、西条市でした。
「元々田舎でやりたいという思いがあったんです。また、大通りに面していない、ちょっと入ったところがいいなというのもありました。西条市で見つけたこの場所は、イメージしている条件とぴったり当てはまっていましたし、洋館風で少し面白い外観も気に入りました。」
そして、西条市でヴィルナタールをオープンした上甲さん。しかし、開業当初は苦労したと話します。
「開業当初は、お客さんが来すぎても丁寧な接客や料理を提供できなくなると困ると思いあまり告知をしませんでした。その結果、予想以上にお客さんが少なく苦労しました。」
さらに追い打ちをかけるように新型コロナウイルスの影響で思うようなスタートが切れなかったそうです。
そんな苦しい状況の中、手を差し伸べてくれたのが西条の人たちだったと言います。
「お店の施工をしてくれた方がいろいろな所で宣伝していただき徐々にお客さんが増えていきました。また、近所の人がお客さんとして来てくれて、暖かく迎え入れてくれたりもしました。移住者って、外から来た人みたいな感じで敬遠されるかなと思っていましたが、そんなことはなかったです。」

 

#4 Terroir(テロワール)

上甲さんは、西条に来てうちぬきの良さに驚いたと言います。

「西条の人って、そういったおいしさや豊富さといった地域資源に気づいていないと思うんです。西条はこんなにおいしいものがいっぱいとれるんだっていうのを知ってほしいです。」
フランスでの経験を踏まえてこう続けます。
「フランスにはTerroir(テロワール)という言葉があります。土地の個性といった意味で使われる言葉です。フランスは地域らしさというか、その土地を大切にします。例えば、ワインで言うと、ブルゴーニュらしさや、ボルドーらしさというのがあり、その地域の良さを大事にしているんです。」
そういった西条ならではの良さを西条の人に知ってほしいという思いから、彼はある取り組みを始めます。それは、「西条市SIB つながり広がるチャレンジ応援事業」です。この取り組みを使って、西条に戻ってくる人を増やしたいと考えているそうです。
「帰って来る人が多くなれば、まち全体が活気づいていき、さらに人が集まる。そして、新たなレストランなどができ、そこにお客さんが来るようになれば、新たな雇用にもつながり、また人が集まる。そういう循環ができたらいいと思います。」
また、店名「Ville natale」に込めた思いについてもこう話します。
「Ville nataleは、フランス語で故郷って意味なんですけど、今の若い子たちにもっと田舎を、自分の地元を大切にしてもらいたい、これから西条を自慢できる田舎にしたいと思っています。」
こういった思いで上甲さんは、日々最高のフレンチを届けています。

 

#5 Ville natale(ヴィルナタール)


地元でその日一番美味しい食材を使用した、本格フレンチを提供します。
地元の新鮮な食材を活かして作るフランス料理は、味はもちろん、見た目の美しさからもお楽しみいただけます。
またドリンクも、こだわりを持って厳選しています。お食事に合う飲み物など、お気軽にお尋ねください。
Ville natale HP:https://www.ville-natale.com/
Ville natale Instagram:https://www.instagram.com/villenatale2020/?hl=ja

 

私が書きました

Co-あきない宣言 編集部

Co-あきない宣言 編集部

Co-あきない宣言の編集担当です。 西条市では、市内で働き、輝いている市民をストーリー化して発信することで、西条市をPRしております!まだまだ不慣れですが、頑張ってシリーズを重ねてまいりますので、是非ご覧ください。

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